次期ORCA(日医標準レセプトソフト=日レセ)のプラットホームは、Ubuntu 8.04 Server版になるらしいです。Ubuntu 8.04(Hardy)はLTS版(=Long Term Support=長期サポート版)なので、サポート期間が長いのがメリットです。Debianではリリース時期/サポート期間が定期的ではないので、業務用アプリとしては避けたかったんでしょうか。
ともあれ、それぞれのディストリとORCAについてのサポート期間を調べてみました。 woodyに比べてsargeのサポート期間が短かめなのでOSのアップデート作業での悲鳴が上がっているようですが、ORCAでのsargeサポート期間が3年程度あるので、それなりに十分なサポート期間を取れていると思います。(できる限り長いには超したことはないですが、Debian自体のサポートが切れて長期的にサポートするのは大変)
ディストリのサポート期間が長いと、リリースされてから時期がたったときにカーネルが古くなって認識/インストールできないハードウェアが増える、という問題もあるのでバランスを取るのが難しいですし。(だからetchnhalf等の意義があるんですが)
ORCAをUbuntu Server版ベースにすることで、コアパッケージについては5年サポート(Desktop版は3年)になるので、少しはアップデート間隔がましにはなりますかね。ベンダにしろ自力ユーザにしろ、こういった背景を理解してアップデートを行わないとしんどいと思います。下記のリンクには、それぞれのディストリビューションの概要などの情報があるので、目を通しておくと良いでしょう。
追記: 2012年8月に、Ubuntu10.04/12.04/14.04対応も含めたスケジュール予定が更新されたので追記。
http://ftp.orca.med.or.jp/pub/data/receipt/outline/schedule/release-schedule-2012-08-20.pdf
Distribution | サポート時期 | サポート期間 | ORCAサポート時期 | ORCAサポート期間 | ORCAバージョン |
---|---|---|---|---|---|
Debian woody | 2002年7月〜2006年6月 | 3年11ヶ月 | 2002年12月〜2007年6月 | 4年7ヶ月 | 〜3.4 |
Debian sarge | 2005年6月〜2008年3月 | 2年9ヶ月 | 2006年7月〜2009年10月 | 3年3ヶ月 | 2.7〜4.3 |
Debian etch | 2007年4月〜2010年2月 | 2年10ヶ月 | 2007年10月〜2013年3月末 | 5年5ヶ月 | 4.0〜4.5 |
Ubuntu 8.04 Server | 2008年4月〜2013年4月 | 5年 | 2009年10月〜2013年3月末 | 3年5ヶ月 | 4.4〜4.6 |
Ubuntu 10.04 Server | 2010年4月〜2015年4月 | 5年 | 2010年11月〜2015年3月末(予定) | 4年4ヶ月(予定) | 4.5〜4.7(予定) |
Ubuntu 12.04 Server | 2012年4月〜2017年4月 | 5年 | 2012年11月〜2017年3月末(予定) | 4年4ヶ月(予定) | 4.7〜 |
Ubuntu 14.04 Server | 2014年4月〜2019年4月? | 5年? | 2014年10月(予定)〜2019年3月末(予定) | 4年5ヶ月(予定) | 4.8〜 |