2009/3/18(日本時間で3/19)にGNOME 2.26.0がリリースされました。GNOME 2.26の詳細についてはリリースノートを参照してください。2009/3/19時点では、まだ日本語のリリースノートではありません。追記:aihana氏によって、日本語のリリースノートも公開されました。
どのバージョンのGNOMEで機能追加になったかとか、GNOMEのリリースノートを追いかけるためのページと、GNOMEプロジェクトの一覧も追加でメモ。
mycom - 統合デスクトップ環境「GNOME 2.26」がリリース http://journal.mycom.co.jp/news/2009/03/19/016/index.html [gnome-announce] Celebrating the release of GNOME 2.26! http://mail.gnome.org/archives/gnome-announce-list/2009-March/msg00091.html GNOME - 2.26 リリースノート http://library.gnome.org/misc/release-notes/2.26/ GNOME - 過去のリリースノート http://library.gnome.org/misc/release-notes/ GNOME - GNOME 2.25.x Development Series (2.26関連のリリーススケジュール等) http://live.gnome.org/TwoPointTwentyfive GNOME - GNOME Project Listing (Gnomeのプロジェクト一覧) http://projects.gnome.org/
今年の正月にLinux環境でiP4600を使って年賀状を作成したのですが、Canon提供のPPDファイルでは、印字品質や用紙の種類などの組み合わせで印刷できないパターンがあるためか、CUPSの設定画面から印字品質などを設定することができません。 ということで、iP4600のPPDファイルに 1.印字品質オプションの追加 2.PPDファイルの日本語化 3.印刷できない制限パターンの追加 を行ったのでそのメモ。試した環境は、Debian GNU/Linux Etchです。
□ PPDファイルについて PPD(=PostScript Printer Description)を知らない場合は、下記参照。 Wikipedia - PostScript Printer Description http://ja.wikipedia.org/wiki/PostScript_Printer_Description PPDのファイル構造 http://www.gulf.or.jp/~sera/ps/ppd.html Adobe - PPDファイルフォーマット仕様 Ver 4.3 (PDF) http://partners.adobe.com/public/developer/en/ps/5003.PPD_Spec_v4.3.pdf Adobe - PPDファイルフォーマット仕様 Ver 4.3 アップデート (PDF) http://partners.adobe.com/public/developer/en/ps/5645.PPD_Update.pdf CUPS PPD Extensions http://www.cups.org/documentation.php/spec-ppd.html □ PPDファイルのカスタマイズ ☆ デフォルト状態 Canonのサイトで公開されているドライバ(IJ Printer Driver Ver.3.00 for Linux)を インストールした直後のプリンタオプション設定画面は下記のような感じで 印字品質などの設定項目がありません。 CUPS設定画面では表示されていないだけで、Webにある操作説明書の中に lprコマンドでの印刷オプション等の解説があります。 Canon - Linux向けインクジェットプリンタ ドライバダウンロード http://cweb.canon.jp/cgi-bin/download/select-product-by-catg.cgi?i_cd_pr_catg=003 ☆ 印字品質オプションの追加 PPDファイル(/usr/share/ppd/canonip4600.ppd)の中に 以下のような設定を追加する。(作業前にバックアップを取っておくこと) OpenUIとCloseUIで囲んだ設定を追加することで、インタフェースを定義し CUPS設定画面に表示できるようになる。(詳細は PPDファイルフォーマット仕様 参照) ------------------------------------------------------------------ *OpenUI *CNQuality/Quality of Image: PickOne *DefaultCNQuality: 3 *CNQuality 1/High Quality: "<<CNQuality(1)>>setpagedevice" *CNQuality 2/Middle Quality: "<<CNQuality(2)>>setpagedevice" *CNQuality 3/Normal: "<<CNQuality(3)>>setpagedevice" *CNQuality 4/Middle Speed: "<<CNQuality(4)>>setpagedevice" *CNQuality 5/High Speed: "<<CNQuality(5)>>setpagedevice" *CloseUI *CNQuality ------------------------------------------------------------------ 設定を変更したPPDファイルを有効にするには、cupsの再起動を行う。 # /etc/init.d/cupsys restart 下記の赤い領域のように、画像品質(Quality of Image)が追加されています。 ☆ PPDファイルの日本語化 CUPS 1.2以上のバージョンでは、Globalized PPDファイルのサポートが されていますが、現行でのアプリ側の対応を考えるとPPDファイルはSJIS ベースにする必要があります。 参考URL ubuntu-jp メーリングリスト - [ubuntu-jp:1142] https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-jp/2008-November/001141.html cups.org - ドキュメント CUPS PPD Extensions http://www.cups.org/documentation.php/doc-1.4/spec-ppd.html まずは、PPDファイル中の言語指定をSJISに変更します。 ------------------------------------- *LanguageEncoding: ISOLatin1 *LanguageVersion: English ------------------------------------- ↓ ------------------------------------- *LanguageEncoding: JIS83-RKSJ *LanguageVersion: Japanese ------------------------------------- PPDファイルフォーマット仕様のP.61や、上記URLの記述にもあるとおり LanguageEncodingにはUTF-8の項目はありません。 上記のように文字コードの指定をSJISにして、PPDファイルの保存の際には DOS形式(CR+LF)かつ文字コードSJISで保存するようにしてください。 次に、各文字列の翻訳を行います。 PPDファイルフォーマット仕様のP.30前後の記述のように スラッシュ「/」と、コロン「:」または改行(CRLF)で区切られた箇所が 翻訳文字列となります。 下記の例のように、スラッシュとコロンまたは改行で区切られた 文字列を翻訳していきます。 ---------------------------------------------- *OpenUI *PageSize/Page Size: PickOne ---------------------------------------------- ↓ ---------------------------------------------- *OpenUI *PageSize/用紙サイズ: PickOne ---------------------------------------------- PPDファイル全体にわたって翻訳を行い、cupsデーモンを再起動すると 下記のように、インタフェースが日本語で表示されます。 ☆ 印刷できない制限パターンの追加 Webにある操作説明書中に、lprコマンドを使用する際の制限が書かれています。 ("普通紙"の場合は"最高品質"での印刷はできない、など) もし、そのような制限に引っかかるパターンでの印刷を試みた場合は 印字できないまたは、プリンタが破損する恐れもあります。そのため 安全策として、操作説明書を元に一部だけでも制限を設定します。 (今回の実装では、完全な制限までは行っていないので注意。) UI操作での制限を定義するには、UIConstraintsキーワードを 利用します。(PPDファイルフォーマット仕様のP.56参照) 下記のようにして、オプションで相互に制限を課します。 この例では、普通紙(Plain)での印刷の場合、最高品質(1)では 印刷できない旨を表しています。 ---------------------------------------------------------------- *UIConstraints: *CNQuality 1 *MediaType plain *UIConstraints: *MediaType plain *CNQuality 1 (以下略) ---------------------------------------------------------------- 同様に制限を追加して、cupsを再起動して設定を有効にしてください。 CUPS設定画面で、制限に引っかかるような設定をしようとすると 下記の赤い領域のようにエラーとして表示され、設定できないことが分かります。 □ 日本語化PPDファイル ダウンロード 機能拡張&日本語化を行った、iP4600向けPPDファイルを公開します。 ライセンスは、キヤノン株式会社の使用許諾契約に基づきGPLバージョン2 となります。 無保証/無サポートの上、自己責任で使用してください。 また、このPPDファイルに関して、絶対にキヤノンならびに キヤノンマーケティングジャパン様に問い合わせを行わないでください。 なお、このPPDだけでは印刷に必要なモジュール等が含まれていないので CanonのiP4600向けドライバをインストールした上で 追加でインストールするためのものです。 日本語化PPDファイルダウンロード: canonip4600jp.ppd インストールは、Debian系の環境なら # cp canonip4600jp.ppd /usr/share/ppd/ # /etc/init.d/cupsys restart を実行して、CUPS設定画面(http://localhost:631/)で モデルに「Canon iP4600 series custom」を選択して設定する。 もしくは、プリンタ設定アプリケーション等(system-config-printer)を 開いてプリンタの追加を行い、ドライバ選択の際に上記のPPDファイルを 指定して設定を行ってください。