明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
ということで、今年の年賀状をばupしておきます。今年は年賀状作成の予定が狂ってしまい、直前になってからプリンタCanon iP4600を購入してLinux環境でのセットアップをし、Scribusで版の作成までを行ったという、ちょっといい加減バージョンです。わざわざLinux上で年賀状を作らなくてもいいのに、という声も聞こえてきそうですが、試してみることに価値があるのでそのメモを残しておきます。
後から知ったのですが、Adobe AIR上で動作するプリントマジックがLinux環境でもいちおう動作するらしいので、来年はこれを試してみたいですね。また、郵政公社の郵便年賀.jpでも年賀状デザインキットを配っており、Adobe AIRで動作するそうです。Linuxで印刷までちゃんと動作するかは未確認です。宛名印刷をする場合は、Openoffice.orgを利用しての流し込み印刷とかでしょうか。
その他、KreetingKard(2005年以降開発が止まっているっぽい)とかありますがそこそこ使えるかもしれません。また、過去にTurbolinuxが「筆ぐるめ for TurboLinux」出してましたね。
□ プリンタの選定理由 プリンタは、CanonのiP4600を選定しました。まず第一の動作条件として、Linux向けの ドライバがあることと、第二に、即日店頭入手が可能なもので絞ると hp/Canon/Epson/Brotherあたりになります。 その他の条件でいえば、スキャナ/コピー機能は用途的に必要なかったので、複合機は却下。 メインはモノクロレーザーだし(これですらあまり印刷しない)、インクジェットなら なおさら使わないので低価格が条件。 今までの機種がEpsonだったので今回はCanonにしてみるか、と安直に決定しました。 写真印刷がきれいに出るかなーという淡い期待もあったのです。 お値段は、ヤマダのポイント還元で実質11000円を切る程度。 hp Linux向けプリンタドライバ http://hplipopensource.com/hplip-web/index.html Canon Linux向けプリンタドライバ http://cweb.canon.jp/drv-upd/bj/other.html Epson Linux向けプリンタドライバ http://avasys.jp/hp/menu000000300/hpg000000249.htm Brother Linux向けプリンタドライバ http://solutions.brother.co.jp/support/os/linux/index.html □ Debian EtchでiP4600向けのセットアップ 上記のCanonプリンタドライバダウンロードサイトから、共通パッケージ(debianファイル) とiP4600用機種別パッケージ(debianファイル)とiP4600用操作説明書をダウンロードしてくる。 あとは、操作説明書を $ tar xvzf guideip4600series-pd-3.00-1_jp.tar.gz のようにして展開し、ブラウザで閲覧して"手順の通りに"作業をすればOK。 操作説明書の内容が見やすくて充実しているので、とてもわかりやすくてGood。 ただ、CUPSでの印字品質などのUIが実装されていないので、今後の改善を期待したいところ。 Linux向けなので公式サポートはありませんが、設定手順はFedora 9/OpenSuSE 11.0 Ubuntu 8.04が掲載されています。Ubuntu 8.04の手順でDebian Etchに debianパッケージを導入してみましたが、動作上の問題は今のところありません。 □ Scribusでの年賀状の版の作成 今回使用したのは、オープンソースなDTPソフトであるscribus-ng 1.3.3.6。 IM関連でまだ日本語入力が微妙な状態のバージョンですので、年賀状に流し込む文書等は 事前に入力しておきコピペで張りつけていくのがいいでしょう。あとクラッシュ時の 予防として、自動保存を有効にして数分おきに保存させた方がいいと思います。 さて、scribus-ngには日本のはがきサイズの設定はないので、新規作成の際に サイズを指定する必要があります。はがきサイズは148x100mmなので ---------------------------------------------------------------- 「デフォルトの単位」を「ミリメートル(mm)」に 「方向」を縦方向か横方向の好きな方にし、それに合わせて 「幅」と「高さを」それぞれ 「148.000mm」と「100.000mm」(横方向の場合) 「100.000mm」と「148.000mm」(縦方向の場合)に設定します。 「マージン」は好みに合わせてサイズを設定してください。 ---------------------------------------------------------------- □ Scribusでの編集に関するエトセトラ あとは、DTPソフトの要領でテキストフレームや画像フレームを配置して画像や文章を 指定したり流し込んだりします。日本語の場合は、テキストフレームへの日本語入力は 直接入力ではなく、右クリック→「テキストを編集」でストーリエディタを使用して 編集を行ってください。 画像をフレームサイズにあわせる場合は、画像フレームを選択して右クリック→プロパティで 画像タブを開き、「フレームサイズにあわせる」にチェックをいれてください。 Linux上でも事前にいろいろな種類のフォントを導入しておくと、テキストのフォントを デザインに合わせて替えれるため良いかと思います。 印刷については、先に設定しておいたプリンタを指定して印刷することになります。 標準ではpsのままデータを投げるっぽい?(時間なくて未確認)ので ps対応プリンタを使っていない場合は、「代替となるプリンタコマンド」として kprinterやgtklpなどのプリンタマネージャを指定するか、 いったんps/pdfファイルに出力してから、別途印刷という手順になるかと思います。 また、プリンタ設定では用紙サイズの指定(はがき)や品質/速度の調整など プリンタドライバ側の設定も必要です。iP4600では、デフォルトではがきの サイズ指定があるのでお手軽です。 色補正などの機能に関しては、知識が少ないのと時間がなかったので未検証です。 面倒だったので、私はいったんPDFに吐き出してから印刷をかけました。 印刷範囲や印字位置などの調整には、一番時間がかかりました。 見た目と実際の印刷が微妙にずれていたため、印刷範囲やプリンタのマージンなどの 調整をきちんと設定する必要があります。ちゃんとした知識があれば簡単なの かもしれませんが、意外と時間を取られるので要注意です。 ということで、Windows上で年賀状ソフトを使うのに比べたらかなりの手間が かかりますが、Linux上でも、プリンタドライバや印刷関連ソフトが充実してきており それなりのデザインの作成と印刷が、以前と比べると大きな苦労なくできるように なったことは大きな前進だと思います。