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ORCA愉快日記

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2009-01-05 Linux環境でScribusとiP4600を使って年賀状作成

_ [Linux] Linux環境でScribusとiP4600を使って年賀状作成

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

ということで、今年の年賀状をばupしておきます。今年は年賀状作成の予定が狂ってしまい、直前になってからプリンタCanon iP4600を購入してLinux環境でのセットアップをし、Scribusで版の作成までを行ったという、ちょっといい加減バージョンです。わざわざLinux上で年賀状を作らなくてもいいのに、という声も聞こえてきそうですが、試してみることに価値があるのでそのメモを残しておきます。

後から知ったのですが、Adobe AIR上で動作するプリントマジックがLinux環境でもいちおう動作するらしいので、来年はこれを試してみたいですね。また、郵政公社の郵便年賀.jpでも年賀状デザインキットを配っており、Adobe AIRで動作するそうです。Linuxで印刷までちゃんと動作するかは未確認です。宛名印刷をする場合は、Openoffice.orgを利用しての流し込み印刷とかでしょうか。

その他、KreetingKard(2005年以降開発が止まっているっぽい)とかありますがそこそこ使えるかもしれません。また、過去にTurbolinuxが「筆ぐるめ for TurboLinux」出してましたね。


  
□ プリンタの選定理由
プリンタは、CanonのiP4600を選定しました。まず第一の動作条件として、Linux向けの
ドライバがあることと、第二に、即日店頭入手が可能なもので絞ると
hp/Canon/Epson/Brotherあたりになります。
  
その他の条件でいえば、スキャナ/コピー機能は用途的に必要なかったので、複合機は却下。
メインはモノクロレーザーだし(これですらあまり印刷しない)、インクジェットなら
なおさら使わないので低価格が条件。
  
今までの機種がEpsonだったので今回はCanonにしてみるか、と安直に決定しました。
写真印刷がきれいに出るかなーという淡い期待もあったのです。
お値段は、ヤマダのポイント還元で実質11000円を切る程度。
  
hp Linux向けプリンタドライバ
http://hplipopensource.com/hplip-web/index.html
Canon Linux向けプリンタドライバ
http://cweb.canon.jp/drv-upd/bj/other.html
Epson Linux向けプリンタドライバ
http://avasys.jp/hp/menu000000300/hpg000000249.htm
Brother  Linux向けプリンタドライバ
http://solutions.brother.co.jp/support/os/linux/index.html
  
  
□ Debian EtchでiP4600向けのセットアップ
上記のCanonプリンタドライバダウンロードサイトから、共通パッケージ(debianファイル)
とiP4600用機種別パッケージ(debianファイル)とiP4600用操作説明書をダウンロードしてくる。
  
あとは、操作説明書を
$ tar xvzf guideip4600series-pd-3.00-1_jp.tar.gz
のようにして展開し、ブラウザで閲覧して"手順の通りに"作業をすればOK。
操作説明書の内容が見やすくて充実しているので、とてもわかりやすくてGood。
ただ、CUPSでの印字品質などのUIが実装されていないので、今後の改善を期待したいところ。
  
Linux向けなので公式サポートはありませんが、設定手順はFedora 9/OpenSuSE 11.0
Ubuntu 8.04が掲載されています。Ubuntu 8.04の手順でDebian Etchに
debianパッケージを導入してみましたが、動作上の問題は今のところありません。
  

  
  
□ Scribusでの年賀状の版の作成
今回使用したのは、オープンソースなDTPソフトであるscribus-ng 1.3.3.6。
IM関連でまだ日本語入力が微妙な状態のバージョンですので、年賀状に流し込む文書等は
事前に入力しておきコピペで張りつけていくのがいいでしょう。あとクラッシュ時の
予防として、自動保存を有効にして数分おきに保存させた方がいいと思います。
  
さて、scribus-ngには日本のはがきサイズの設定はないので、新規作成の際に
サイズを指定する必要があります。はがきサイズは148x100mmなので
----------------------------------------------------------------
「デフォルトの単位」を「ミリメートル(mm)」に
「方向」を縦方向か横方向の好きな方にし、それに合わせて
「幅」と「高さを」それぞれ
「148.000mm」と「100.000mm」(横方向の場合)
「100.000mm」と「148.000mm」(縦方向の場合)に設定します。
「マージン」は好みに合わせてサイズを設定してください。
----------------------------------------------------------------
  

  
  
□ Scribusでの編集に関するエトセトラ
あとは、DTPソフトの要領でテキストフレームや画像フレームを配置して画像や文章を
指定したり流し込んだりします。日本語の場合は、テキストフレームへの日本語入力は
直接入力ではなく、右クリック→「テキストを編集」でストーリエディタを使用して
編集を行ってください。
  
画像をフレームサイズにあわせる場合は、画像フレームを選択して右クリック→プロパティで
画像タブを開き、「フレームサイズにあわせる」にチェックをいれてください。
  
Linux上でも事前にいろいろな種類のフォントを導入しておくと、テキストのフォントを
デザインに合わせて替えれるため良いかと思います。
  
印刷については、先に設定しておいたプリンタを指定して印刷することになります。
標準ではpsのままデータを投げるっぽい?(時間なくて未確認)ので
ps対応プリンタを使っていない場合は、「代替となるプリンタコマンド」として
kprinterやgtklpなどのプリンタマネージャを指定するか、
いったんps/pdfファイルに出力してから、別途印刷という手順になるかと思います。
  
また、プリンタ設定では用紙サイズの指定(はがき)や品質/速度の調整など
プリンタドライバ側の設定も必要です。iP4600では、デフォルトではがきの
サイズ指定があるのでお手軽です。
  
色補正などの機能に関しては、知識が少ないのと時間がなかったので未検証です。
面倒だったので、私はいったんPDFに吐き出してから印刷をかけました。
  
印刷範囲や印字位置などの調整には、一番時間がかかりました。
見た目と実際の印刷が微妙にずれていたため、印刷範囲やプリンタのマージンなどの
調整をきちんと設定する必要があります。ちゃんとした知識があれば簡単なの
かもしれませんが、意外と時間を取られるので要注意です。
  
ということで、Windows上で年賀状ソフトを使うのに比べたらかなりの手間が
かかりますが、Linux上でも、プリンタドライバや印刷関連ソフトが充実してきており
それなりのデザインの作成と印刷が、以前と比べると大きな苦労なくできるように
なったことは大きな前進だと思います。

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