電子書籍エディターSigilはバージョン0.5で多言語対応する予定なので、メニューなどで日本語を表示できるようになります。ただし、2011/10時点の開発版ではまったく翻訳されていなかったので、ソースコードを取得して日本語リソースファイルを作成とビルドを行い、日本語表示されるのを確認しました。以下はそのメモ。
追記 2011/11/16: Sigilの日本語リソースのコミット依頼を出しておきました。問題がなければコミットされSigil 0.5から日本語表示が可能になると思います → コミットされました。
追記 2011/12/18: Sigil 0.4.902がリリースされています(Sigil Download)。このバージョンには翻訳リソースファイルが含まれているので、Windows環境などでもインストールするだけで日本語メニューが利用できます。
追記 2011/1/21: Sigil 0.5.0がリリースされました。(Sigil 0.5.0 Released)15カ国語に翻訳されており、もちろん日本語メニューが利用できます。
追記 2011/2/7: Sigil 0.5.1がリリースされました。(記事はこちら)
追記 2013/1/23: Sigil 0.6系の翻訳状況について更新しました。(記事はこちら)
□ Sigilの日本語化メモ * バージョン 0.5から多言語化対応される(日本語表示が可能に) * SigilはC++ベースのQt4アプリケーション * そのため翻訳はtsファイルベースで行う * sigil_ja.tsファイルを生成してビルドする。 □ 今後の予定 * 作成した翻訳ファイルをコミットしてもらう → done * 問題なければSigil 0.5で日本語表示が可能になる → done 下記は、gitからソースを取得して日本語化リソースファイルを加えてビルドしたもの。
□ Sigilをソースからインストールする方法 @ Ubuntu 11.10 * gitでソースの取得 $ git clone https://code.google.com/p/sigil/ * 必要なライブラリ・翻訳ツールのインストール $ sudo aptitude install libqt4-xml libqt4-svg libqt4-webkit libqt4-gui libqt4-dev cmake qt4-qmake qt4-dev-tools* 日本語リソースの用意と翻訳 ./src/Sigil/Resource_Files/ts/以下にsigil_ja.tsを作成 tsファイルの翻訳はlinguistなどの翻訳ツールで行う。(日本語リソースファイルはすでに取り込まれているので不要になりました。) * cmake & make で ビルド & インストール 下記の例の場合、インストール先は/usr/local/sigil/ $ cmake -G "Unix Makefiles" -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=/usr/local/sigil/ -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release $ make $ sudo make install * sigilを起動 $ /usr/local/sigil/bin/sigil □ ePubへの書き出しで文字化け等が起こる場合の対処 Sigilのメニューから「表示」→「コードビュー」を有効にすると コードが表示されるので、 <html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"> の箇所を下記のように書き換える。 <html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xmlns:xml="http://www.w3.org/XML/1998/namespace" xml:lang="ja"> □ 参考URL Sigil http://code.google.com/p/sigil/ Sigil - updates/list http://code.google.com/p/sigil/updates/list Sigil - Wiki Translating (翻訳方法) http://code.google.com/p/sigil/wiki/Translating Sigil - BuildingFromSource (ソースからのビルド) http://code.google.com/p/sigil/wiki/BuildingFromSource Sigil - LinuxDistroPackages (各Linuxディストロ向けパッケージ) LinuxDistroPackages
Sigil 0.5.0で追加予定の機能 * スペルチェッカ * 指定した時間ごとの自動保存 * ハイパーリンクエディタ * 画像のドラッグ&ドロップ機能 * F6キーでの分割時の動作改善 Sigil - issue tracker (milestone 0.5.0) http://code.google.com/p/sigil/issues/list?can=2&q=milestone=0.5.0... しかしながら、Sigil 0.5では特定の条件でのデータ損失の重大なバグがあり 0.6で直す予定だが、問題の深さによっては0.7まで治らないかもしれないとのこと。 詳細は下記URLを参照。 http://sigildev.blogspot.com/2011/11/sigil-and-data-loss-bugs.html Sigilは2011/11時点ではEPUB3には対応しておらずEPUB2のみ対応。 EPUB3ではJavaScriptへの対応がOptional扱いになっており色々大変そうだ。 http://code.google.com/p/sigil/issues/detail?id=1099
作業したSigilの日本語翻訳ファイルがコミットされて取り込まれました。 Sigil 0.5以降ではメニュー等が日本語で表示されるようになります。 Sigil changelog - Add Japanese translation. http://code.google.com/p/sigil/source/detail?r=3bcb756815a10a02ece897ef651f913bdde3286f 今後は、transifexで翻訳を行うことになります。 Sigil Japanese Teamはまだ作成されていなかったので、作成しておきました。 翻訳を行う場合は、transifexのアカウントを持っており、このチームに所属する必要があります。 参加者をお待ちしています。 transifex - sigil/sigil.ts: sigil transaltion on transifex https://www.transifex.net/projects/p/sigil/resource/sigil/
2012/2/5にSigil 0.5.1がリリースされました。 Making Epub Happen http://sigildev.blogspot.com/2012/02/sigil-051-released.html Sigil - ダウンロード http://code.google.com/p/sigil/downloads/list Sigil 0.5.1はメンテナンスリリースで、検索と置換機能/GUI設定/スペルチェック などの機能に多くの修正等が加わってます。 また、今後は4週間おきの小規模リリースを行うようなスタイルになる予定で 長期プランとして、EPUB3への対応も掲げられており、今年の年末までに 実現したいという意向のようです。 また、Sigil 0.5.1のリリースでは一部の日本語が未翻訳の状態だったので 追加で翻訳を行なっておきました。 Sigil - 0.5.1 翻訳リソースファイルダウンロード http://hitaki.net/diary/images/sigil_ja_0.5.1.qm 使い方: 上記のファイルをダウンロードし、sigil_ja.qmにファイル名を変更してください。 その後、Sigilをインストールしたフォルダのtranslationsフォルダ内に上書きコピーしてください。 Windowsであれば通常は、C:\Program Files\Sigil\translations です。 Linuxであれば通常は、/usr/share/sigil/translations/ です。 0.5.1向けです。他のバージョンに適用すると未翻訳箇所が増える可能性があります。
多忙によりSigilの日本語翻訳ができていませんでしたが、Sigil 0.6.2の 翻訳状況を見ると、かなりの単語が未訳の状態に落ち込んでいたので 日本語翻訳を再開しました。 おそらく、Sigil 0.6.3で翻訳が取り込まれれば日本語での表示が問題なく行えるかと思います。 https://www.transifex.com/projects/p/sigil/ 今すぐ日本語翻訳を適用したい場合は、下記のファイルを使ってください。 Sigil - 0.6.2 向け翻訳リソースファイルダウンロード http://hitaki.net/diary/images/sigil_ja.qm (0.6.3以降では必要ありません) 使い方: 上記のファイルをダウンロードし、Sigilをインストールしたフォルダのtranslationsフォルダ内に 上書きコピーしてください。 Windowsであれば通常は、C:\Program Files\Sigil\translations です。 Linuxであれば通常は、/usr/share/sigil/translations/ です。 着手時点で30%台だった翻訳率を、2013/01/23の時点で51%まで復活させました。 UIなどの見た目はほぼ改善されたと思います。 残りの翻訳は、ISO 639関連の言語コードやメタデータの分類と説明が多く残っているようです。 このあたりも順次改善していきますが、すべてを一人でこなすのは難しいかもしれません。 翻訳サイトTransifexでユーザー登録をして、Sigilの翻訳に参加リクエストを出せば Web上で翻訳ができるので、やりたい人、出版関連の知識がある人はぜひお願いします。4844329391 477414665X