IPAフォントが2009/4/3にOSI準拠なオープンソースライセンスとして認定されていましたが、予定通り4/20に新ライセンスでのフォント公開が開始されたようです。ライセンス名は、「一般利用者向けIPAフォント使用許諾契約書」から「IPAフォントライセンスv1.0」に変わっており、ライセンス改訂並びに英語版作成の公募のとおり、日本語版に加えて英語版での提供も開始されました。
旧ライセンスでは、改変されたフォントの再配布が認められておらずオープンではない不自由なライセンスでしたが、新ライセンスではいくつか条件が付くものの、改変や再配布が自由に行えるライセンスになっています。制限をかいつまんで書いておくと、1.オンラインで再配布を行うか、媒体を郵送する方法で提供する(送料等のほかに対価を取ってはだめ)、2.オリジナルのフォントに戻せる状態で配布する(パッチや戻す方法のドキュメント等で)、3.派生フォントは同一ライセンスで配布する必要がある、4.フォント名にオリジナルフォントの名称を使ってはならない などです。詳細は下記サイトにあるライセンス本文を参照してください。
また、IPAフォント開発委員会を立ち上げて、フォント開発ツールを使った協調作業をするための環境の公募もやっているようです。
個人的には、再配布や改変が自由にできるようになったことは評価しますが、フリーなディストリビューションの標準フォントにするのは反対だなぁ。オプションでインストールしたい人が導入すればよいかと思います。ただ、フリーにこだわらないプロジェクトであれば、ビジネスでの利用やフォントの同梱などがやりやすくなったので、採用が進んでいくでしょうね。特にJIS2004対応でいわゆる第3、第4水準にも対応しているフリーなフォントとしては有力な候補でしょうし。もちろんUNIX系にとどまらず、WindowsやMacでの利用もできるフリーなフォントなわけなので。
IPA OSSiPedia - IPAフォントのダウンロード http://ossipedia.ipa.go.jp/ipafont/ IPA - 一般利用者向けIPAフォントのダウンロード (旧バージョン) http://ossipedia.ipa.go.jp/ipafont/old/index.html Open Source Initiative - IPA Font License Agreement v1.0 (090305) http://www.opensource.org/licenses/ipafont.html ITPro - IPAフォントが2009年4月中旬にもオープンソース・ライセンスへ,改変と再配布が自由に http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090403/327784/ Wikipedia - 日本語フォントの比較 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83